チバニアンで学んできた

市原市

チバニアンって何?

「チバニアン」は令和に入り新たに決まった地質年代の名称です。
この時代の初期に起こった地磁気逆転の特徴が、養老川中流の地層(=千葉セクション)によく表れているということから、国際的な時代名として採用されました。

最初「千葉の人」の意味かと思い、千葉県民の新しい呼び名か、千葉原人でも見つかったのかと思ってしまいました。
正しくは「千葉の時代」を意味するラテン語だそうです。
このチバニアン期は約77万4千年前から12万9千年前まで。
おおよそ、ホモ・サピエンスが台頭してきたり、マンモスの様な大型哺乳類の絶滅が始まるくらいの時代です。

北極と南極が入れ替わる??

方位磁石のN極は北極方面を指しますが、地磁気逆転が起こると南極を指すようになります。
地理的に北極と南極が入れ替わる訳ではなく、方位磁石が指す向きだけ逆になるのです。
これは太古の昔から何度も起きていて、一番直近のものがチバニアン期の始まる約77万年前から2万年の間となります。
養老川中流にある千葉セクションの地層には、このときの変化が連続して記録されています。それが養老川によって削られ、観察しやすくなっているために学術的な価値が高く、天然記念物にも指定されました。

チバニアンビジターセンター

千葉セクションの地層は、市原市田淵までいけば見ることができます。
とはいえ、私のような一般人がただ地層を見ても、「縞々だべ」くらいのことしか分かりません。
それを助けてくれるのが、”チバニアンビジターセンター”なのです。

チバニアンビジターセンターと駐車場
右の建物がチバニアンビジターセンター

ビジターセンターは、地層への入り口に駐車場と併設されています。
仮設とのことなので、今後建て変わるのかも。

ここではチバニアンと地磁気逆転の仕組みや地層について学ぶことができます。
資料の展示や配布もありますが、係の方の手が空いていれば説明をお願いすることもできるようです。
私は予習なし、小学校の理科の知識も怪しい状態で伺ったのですが、こちらに合わせてお話していただき、十分楽しむことができました。
どのようにこの地層ができて、どうやって過去の地磁気の向きを調べたのか、河原で貝の化石を見ることができるといったことも教えてくれました。
先入観なくチバニアンを見るのもよいと思いますが、後からビジターセンターに入る場合は、もう一度地層やら養老川の川底を見直したくなって、また往復する羽目になるかと思います。
まずはこちらに寄ってから地層を見に行くのがおすすめです!

また有料で現地のガイドをお願いすることもできるそうなので、ぜひ。

チバニアンガイド

市原観光Navigation
https://ichihara-kankou.or.jp/kanko/volunteer/chibanian-guide/
※予約は10日前までにお願いします

露頭で迷う?

実際に地層を見るには、ビジターセンターの脇を抜けて500mほど歩く必要があります。

地層への順路入り口
順路入り口

周辺には不動滝もありますが、順路の途中で見られるのはポットホール(川底にできた丸い穴)や素掘りトンネルの入り口です。
不動滝は少し離れているので、初見では辿り着けないかも。

ポットホールと素掘りトンネル
ポットホールと素掘りのトンネル入口

10分ちょっと歩けば、養老川に突き当たります。
河原を左に少し行けば、お目当ての地層が広がっていますよ!

養老川の河原
養老川の河原

地層が地表に露出している場所を露頭と呼ぶのだそうです(ビジターセンターで聞いた)。
千葉セクションの露頭はこんな感じでした。

千葉セクションの露頭
千葉セクションの露頭
露頭全景
露頭全景

実際の地層は少し分かり辛いので、ビジターセンターでもらえる資料と見比べるのがいいかも。
現地には外灯やトイレといった設備がないため、夕方になると見えなくなります。
また、滑りやすい箇所やぬかるみもあるので、気を付けてくださいね。


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